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エッセー・限りなく遠い山

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エッセー・限りなく遠い山


静かにたたずむブナの森

盛岡市の北西に、まるで遠い宇宙のように、静かにたたずむブナの森がある。これが葛根田川源流部である。
この森は幾つもの山々に馬蹄形状に囲まれている。私たちはその連山を葛根田馬蹄形連峰と呼んでいる。
森の中には道はなく、1500m前後の山が15ほどあり、大きな支流が10ほどもある。面積は6700ha、玉川源流部を含めれば12,000haという大面積の原生林地帯である。

葛根田連峰縦走記

7月上旬に葛根田馬蹄形連峰の稜線を一周したことがある。3泊4日の気の遠くなるような道のりである。葛根田川のほとりに簡素な温泉がある。そこから登山道を登りはじめ、ブナ林を通り抜け、シャクナゲの咲く山を三つほど越えると、消えそうな道のある分岐点があった。ここから先は限りなく遠い山、限りなく淋しい道。まだ残雪がたくさん残っていて、名も知れぬ花が咲いている。ワタスゲの咲く湿原を八つほど過ぎてから、ひとつの見晴らしのいい山を登ると、源流の森がはるかに遠く広がっていた。

守られたブナの森・葛根田ブナ原生林

かつて25年ほど前に(1986年)、国が10年間に及ぶ大規模な伐採計画を立てて、伐採に着手したことがある。まだブナという言葉も生態系という言葉もあまり知られていなかった。葛根田の森のことを知る人もほとんどいなかった。
5人ほどで原生林問題研究会を発足させ、岩手県政記者クラブで保護を訴えた(1986年12月)。そしてシンポジウムを開いた結果守る会が結成され、第一回現地観察会には200人もの市民とマスコミが集り、急速に保護の世論が広がった。
そしてついに計画は撤回され、葛根田林道も3.5キロで止まり、伐採面積も100haほどで済んだのである(1987年10月)。
今では日本を代表する原生林保護区に指定されている。


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